「などらきの首」読書感想 ~生きていた頃もろくに脳を使っていなかったようだなお前ら~
日本推理作家協会賞短編部門賞受賞作品。
本編の前日譚となる短編集で、比嘉姉妹や野崎、リホ等が登場しますが、いずれも伏線の回収が見事ですね。
私的には居酒屋脳髄談義が一番でした、ドグラ・マグラや荘子を引用した議論での理詰めから最期のセリフまで決まってましたね!何故か冴えている晴海が誰も知らない同僚の過去を議論で持ち出す辺りでギューンと面白さ度急上昇!
しかし首を取り戻したなどらきは…新たなる怪異と惨劇の予感が♪
短編集などらきの首 私的ランキング
居酒屋脳髄談義>学校は死の匂い>などらきの首>ゴカイノカイ>悲鳴=ファインダーの向こうに
などらきの首 意外と知らない話
澤村伊智さんの人気ホラー小説『ぼぎわんが、来る』に続く比嘉姉妹シリーズ第3弾(短編集)の表題作『などらきの首』には、読んだ人だけがゾッとする「意外と知らない(見落としがちな)真実や背景」がいくつか隠されています。
本作の核心に迫る、意外な裏話や恐怖のポイントをまとめました。
1. 「怪異に関わるな」という野崎のルールの原点
シリーズの長編(『ファインダーの向こうにいる』など)で、オカルトライターの野崎は「怪現象に軽い気持ちで関わってはいけない」と何度も口にしています。実は、その強固なポリシーが生まれたきっかけこそが、高校時代に体験したこの「などらき」の一件です。
野崎は若さゆえの好奇心から怪異の謎を解き明かそうとしましたが、その結果、取り返しのつかない最悪の結末を招いてしまいました。彼の「後悔」の原点が描かれているという意味で、シリーズ上極めて重要なエピソードです。
2. ラストの「おばあちゃん」の正体
物語の結末で、野崎は友人の祖母から「ミイラの首を持ち帰った従兄弟の住所」を聞かれ、教えてしまいます。しかし、その直後に祖母はスイカの提灯だけを残して忽然と消え、半月後に従兄弟は不審死を遂げます。
この時、野崎が住所を教えた相手は本物のおばあちゃんではなく、人間の姿(祖母の姿)を借りて情報収集をしていた「などらき(怪異)」そのものでした。怪異が人間に化けて巧妙に目的を果たそうとする、澤村伊智作品らしい「絶対に逃がさない執念」が隠されています。
3. 「などらき」という名前の不気味な響き
澤村作品の怪異には『ぼぎわん』『ずうのめ』など「平仮名四文字」の特徴的な名前が多く使われますが、「などらき」もその一つです。
この一見すると由来の分からない不気味な響きが、民間伝承や都市伝説としてのリアリティを引き立てており、読者に「本当にどこかの地方に伝わっている怪異なのでは?」と思わせる絶妙なネーミングの妙があります。
💡 さらに楽しむためのポイント
『などらきの首』の単行本・文庫本には、表題作以外にも比嘉姉妹の過去や、長女・琴子が登場する短編が収録されています。時系列としては長編の前に位置するエピソードも多いため、他の巻を読み返すと「あのセリフはここに繋がっていたのか!」という伏線回収の面白さがあります。

「などらきの首」情報
『などらきの首』は、映画『来る』の原作『ぼぎわんが、来る』で知られるホラー作家・澤村伊智による、人気「比嘉(ひが)姉妹シリーズ」初の短編集およびその表題作です。2018年10月24日に角川ホラー文庫から発売されました。ホラーの不気味さと、ロジカルなミステリ要素が融合した傑作として知られています。
📖 「などらきの首」書籍概要・基本情報
著者:澤村伊智(さわむら いち)レーベル:角川ホラー文庫
発売日:2018年10月24日
👻 表題作「などらきの首」あらすじ・怪異
オカルトライター・野崎の高校生時代を描いた前日譚的なエピソードです。・伝承
高校生の「僕(寺西)」の祖父母が住む地域には、「などらき」という化け物の伝説がありました。山奥に棲み、家の中に潜み、触られた者は全身に発疹が出て死に、息を吹きかけられれば肺が腐って死ぬと恐れられています。
・謎の事件
かつて民話の中で刎ね落とされたなどらきの首は、とある洞窟の奥に封印されていました。胴体は首を求めて今も彷徨っているとされています。しかし、あるとき不可能な状況下でその「首」が忽然と消失する事件が起きます。
・真相
未だに洞窟の悪夢に悩まされる寺西のため、同級生の野崎が独自の視点から「などらきの正体」と「首消失の謎」というロジカルな推理に挑みます。しかし、最後には澤村ホラーならではの恐ろしい結末が待ち受けています。
📚 「などらきの首」収録されている全6編の短編
本書には、比嘉姉妹シリーズの登場人物たちが様々な形で関わる計6編の短編が収録されています。・ゴカイノカイ
父が遺した貸事務所ビルで、夜な夜な「痛い、痛い」という謎の声が響く怪異。若き日の比嘉真琴が解決に挑む、シリーズ初の短編。
・学校は死の匂い(第72回日本推理作家協会賞 短編部門受賞作)
雨の日にだけ体育館のキャットウォークから飛び降りる「白い少女の幽霊」の噂。小学生の美晴が、姉の琴子に対抗して真相究明に挑む。
・居酒屋脳天ノ夜
とある居酒屋を舞台に、不穏な空気と奇妙な体験が語られる一編。
・悲鳴
長編『ずうのめ人形』に登場したキャラクターの大学時代を描いたエピソード。
・ファインダーの向こう
オカルト的な事象や怪異の周辺を、一味違う視点から切り取った短編。
・などらきの首
野崎の高校時代を描いた表題作。
比嘉姉妹シリーズ
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読書感想記録を始めたきっかけ
2021年コロナ禍の頃は、皆さんどうお過ごしでしたでしょうか。
私は元々SF、ミステリー、ホラー系の小説が好きでしたので、スマホで読書記録をメモしながら読み始めました。現在も時間があれば様々なジャンルの本を読んでいます。
皆さんのオススメの本があればぜひ教えて下さいね。
コロナ禍は終わりましたが、2026年09月07日(月)現在の皆さんの読書のヒントになれば幸いです。
2021年コロナ禍の頃から始めた自炊47都道府県B級グルメもぜひ読んでみて下さい。
Chillax Style Cooking | 自炊チラックススタイル
「チラックススタイル(Chillax Style:ちらっくすすたいる)」
英語の「Chill」と「Relax」を組み合わせた造語で「落ち着く・くつろぐ」を意味するChill(チル)と、緩めるを意味するRelax(リラックス)を掛け合わせた、気取らずにゆったりと過ごす快適なライフスタイルの事です。ファッションのみならず、日々の出来事、プログラミング、デザイン、グラフィック、資格、読書、料理、ガーデニング、居酒屋、立ち飲み、ネイチャー、旅行etc快適なライフスタイルを過ごす為の情報を東京吉祥寺から発信しています。
Chillax Style | チラックススタイル管理人 七祥 タケヤ(Takeya Nanasho)


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